「人を育てる」から「人が育つ機会を整える」へ

「人を育てる」から「人が育つ機会を整える」へ

成績優秀で昇進し管理職での活躍を期待していたのに思ったほど成果があがっていないということもよく頂くご相談のひとつです。

管理職の役割も環境の変化によって変わってきています。大量生産消費の時代には、合理的な判断のもと、いかに生産や業務の効率化を進めていくかというところに焦点があたり、管理職の役割は目標達成のため進捗を管理していくことに重点が置かれていました。しかし現在のようにあらゆる点で変革が求められる時代においては、チームが目指す方向性を共有しチームメンバーそれぞれが持つ個性や能力を引き出し、主体的にチャレンジできる環境を整えていくことが求められています。

他方で、管理職もより大きな枠組み、例えば組織全体から見たときには、チームメンバーの一人であるため、プレイヤーとしての成果をあげていくことも必要です。多くの管理職がこの2つの役割のはざまで悩んでいます。プレイヤーとして様々な会議に出席し複数の仕事をこなす中で、管理職としてチームメンバーを育てチーム力を高めていくための時間を十分に取れていないのです。

では、チームメンバーを育てるためにどのような方法をとっているのでしょうか。多くの企業ではOJT(On-the-Job Training)を取り入れています。OJT(On-the-Job Training)とは、業務を通して上司が部下の指導を行う実践的な教育訓練です。そこでポイントとなるのは、部下との対話です。対話を通して部下に考える機会を与え成長を促していきます。しかし、指導する側も自分の業務に時間をとられる中では対話のための時間を十分に確保できません。そこで起こりがちなのは「指示命令型」の一方通行型のコミュニケーションです。それでは部下は成長する機会を得られませんし、働く意欲の低下にもつながってしまいます。

こういった状況では、上司が「人を育てる」のではなく、「人が育つ機会をどれだけ与えていけるか」という考え方への転換が必要です。これは、OCD(On-the-Chance Development)と呼ばれるもので日本語では「機会開発」、部下の「主体性」を引き出す仕事の機会をいかに多くつくるかというものです。部下の個性や能力、動機のポイントをしっかり把握することから始まります。そのうえで仕事の機会をつくり、部下に任せて取り組んでもらう。定期的にコミュニケーションをとり進捗について話し合い、困った時には相談にのりながら成果につなげていくやり方です。OJTのように部下が上司との仕事を通して学んでいく「垂直関係」での指導ではないので、指示命令にはなりにくいことも特徴です。

ヒューマンクエストでは、事業の方向性を知り人事戦略を踏まえ(あるいは一緒に考え)たうえで、管理職向けにOCD実践にむけたサポートや必要なコーチングスキルの研修プログラムを提供しています。